2021.08.15
ワンポイントレッスン
お迎えしたばかりのパピー、普段からフリーの時間を作りましょう!
パピーでお迎えしたら?
多くの飼い主さんは、まずトイレ問題が一番気になり、そして部屋の中でのいたずらなどが気になって、ケージやサークルからなかなか解放してあげられません。
しかし、それではますます人が恋しくなって人の側に行きたがったり、目に見える場所やモノが気になってここから出たがったりして、その気持ちが長引くほどに、いざケージやサークルから出してもらえたときには、ハイテンションで暴れまわること必須です。
大興奮のあまり以下のようなことが起こることが予測されます。
- 走り回って、滑って転んだり、何かにぶつかったりする
- 突然噛みついてきたり、吠えたりする
- 聞く耳持たずで言うことを聞いてくれない
- 急にそこらへんでオシッコをしてしまう
- 手当たり次第にモノを噛んだり、咥えて持って行ってしまったりする
でも、これらすべては、パピーならではの当たり前に起こりうる行動です。好奇心旺盛だし、初めて目にするものすべてに興味を持ちます。犬はそのことにすぐに興奮状態に陥ります。
初めて犬をお迎えする方には、びっくり仰天な行動でしょう。パピーは幼獣です。
さて、上記の予測される行動には、注意が必要です。一つ一つ、今後起こりうる問題行動や弊害を述べていきます。
[何が問題?] 1.走り回って、滑って転んだり、何かにぶつかったりする
⇒骨や筋肉が未発達なために、股関節や膝などに過度に負担がかかり、脱臼・骨折などがしやすい、股関節形成不全や膝蓋骨脱臼などの辛い病気にかかりやすいなどの弊害が考えられます。
[何が問題?] 2.突然噛みついてきたり、吠えたりする
⇒興奮しやすい状況だったり、興奮状態が続くなどの場合に起こることがある行動の一種で、その状況が続くと、噛みつきやすい・吠えやすい性格に育っていく可能性が高くなります。
[何が問題?] 3.聞く耳持たずで言うことを聞いてくれない
⇒人間の言葉は簡単には通じませんので、「ダメ!」や「やめなさい!」などと言っても思い通りにはなりません。その言葉でやって欲しい行動を起こしてもらうためには、しっかりとトレーニングしなければ、いつまでも望むようなコミュニケーションが取れません。人間の強い言葉や慌ただしい行動によって、ますます興奮しやすい性格に育っていきます。
[何が問題?] 4.急にそこらへんでオシッコをしてしまう
⇒パピー期の排泄のタイミングは大変多く、またトイレを覚えていない(しっかりと飼い主さんが教えていない)場合には、突然その場で排泄(漏らす)してしまうことが予測されます。特にこれから興奮状態が高まっていくときや、興奮状態の最中、そして一通り興奮状態を発散した直後には、オシッコをしやすくなります。そもそも、犬には人間のようなトイレで排泄するという習慣は元々ありませんよね?だから、しっかりとしたトイレトレーニングが必要なのです。
[何が問題?] 5.手当たり次第にモノを噛んだり、咥えて持って行ってしまったりする
⇒犬は狩猟本能や所有欲がとても強い動物です。興味を持ったモノには獲物を狩るように向かっていくし、捕らえたモノは何が何でも自分のモノにしようと守ることが考えられます。ましてや、犬は人間のモノに対して危険か否かを判断できませんので、もしかしたらボタン電池を飲み込んで内臓損傷(胃腸内などの粘膜を溶かし、穴が開くなど重篤に至る恐れ)を起こしたり、チョコレートのかけらを飲み込んで中毒症状を起こしたり、接続中の電源コードを噛んで感電してしまったりするなど、大変大変悲しい事故に至る可能性が十分に考えられます。
さて、パピー期の愛犬とはどのように過ごすのが最適でしょうか?
ドッグトレーナーとして、一番やって欲しいことは、飼い主さんとフリーに過ごす時間を十分に取って欲しいことです。
そのことによって、愛犬は人と一緒に行動ができる、一緒に何かができる、一緒にいてとても楽しいと感じ、より深い信頼が築けるだけではなく、同時に社会性や社交性が身に付き、人との協調性も、自らの積極性も向上します。
結果として、やみくもに噛みつくことも、必要以上の要求吠えなどの無駄な吠えもぐっと減ります。
さて、パピーをフリーにするにあたっては、下記のようにしてみると良いでしょう。
- まず、部屋を片付ける: これは基本中の基本です。齧られたり噛んだりしてはNGなものはない状態にする。犬用のおもちゃだけはOK。
- 早い段階では、フリーの面積は狭くしておく。段階を経て広くしていく: 床は滑りにくいようにマットを敷くなど工夫する。
- 愛犬は走っても、人は追ったり、走りに拍車をかけたりしないこと: 過度な運動が、愛犬の成長を阻害する恐れがあるので、まずは穏やかに過ごすことをメインに考える。
- トイレトレーニングがしっかりできていないときには、犬用のオムツ・マナーウェア・マナーベルトなどを活用する: 万が一の粗相にも安心。粗相による人の行動や感情が出にくくなるので、愛犬も落ち着いていられる。
- もし、犬用おむつなどを使用しないなら、何か所かにペットシーツを敷いたり、粗相時のお掃除セットを用意しておく: 万が一にも人が慌てたり、粗相に対する負の感情を少しでも抑えるため。
粗相が心配なら、オムツなどの着用をおススメします。気兼ねなく遊び、そして触れ合ってみましょう!とっても大切な時間です。
パピーのうちから人との協調性を学んでもらうために、以下の動画のような遊びや対応(コマンドを教える初期段階)をやってみましょう。
さあ!たくさんコミュニケーション取りましょう!
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