2021.07.27
ワンポイントレッスン
犬の噛む行為とは?・・・吠えることと同じでまず”対話”が大切
飼い主さんが、愛犬の噛む行動にたいして、やろうしているしつけや対応は、必ずしも間違ってはいません。ただただ、お互いの行動が完全にすれ違っているので、愛犬の噛みつき行動が一向に減らないだけです。
- 手や足をすぐに噛む。
- オヤツを持つ手を噛む。
- 興奮しやすく飛びつく(ついでに噛む)。
- おもちゃなど咥えたものをなかなか放さない(掴もうとすると噛む)
- 愛犬の食事中に手を出したり近くを通るだけで噛む(吠える)。
など、愛犬の”噛む”ことについてのお悩みも大変多いです。
犬に噛まれることによって、ときに大ケガをしますし、噛まれること自体とても怖いことなので犬への恐怖心が強くなってしまうなどの恐れが出てきます。
吠えるお悩みと同じで、せっかくの愛犬との楽しいはずの暮らしが、とても辛く、悲しい気持ちになってしまっては残念ですよね。
人間は・・・手をよく使います。巧みに使いこなします。
物を掴む・拾う・持つ・相手に物を渡す・投げる・取り合うなど物に対しての行動以外に、自分の体に触れてくる相手の手などを退けたり、向かってくる相手の袖を掴む・平手打ちをするなど、拒否・防御・威嚇などの相手に態度を示す行動にも使いますね。
犬は・・・人間が使う手のように、足は器用には使えません。前足は物を押さえつけるといった行為はしますが、持つ・掴むといった人間が得意な行動はできず、基本的には歩く・走る・掘る・前足を高くあげて相手を威嚇するなどの行動を起こします。
しかし、犬ももちろん・・・『 物を掴む・拾う・持つ・相手に物を渡す・投げる・取り合うなど物に対しての行動以外に、自分の体に触れてくる相手の手などを退けたり、向かってくる相手の袖を掴む・平手打ちをするなど、拒否・防御・威嚇などの相手に態度を示す行動 』を示します。
それらを行動を起こすときに、口を使います。口を開ける・舌で舐める・歯で齧る・噛む・咬む・歯をむき出しにするなど、これらの行動が犬は得意なのです。
そして、犬のそれらの口を使った行動、つまり噛むなどの行動が、人間には脅威に感じたり、威嚇している・襲われるなど勘違いが生まれる恐れがあります。
犬としては噛む行動は犬本来の正しい行動でも、多くの人間には間違った行動として捉えられるために、悲しいことにそれが問題行動として解釈され、噛むことに対する飼い主さんの間違った対処(間違ったしつけ方法、噛む犬に対する虐待など)が生じてしまうことが大変多くあります。
犬は、吠えることと同様に噛むことでも、しっかりとその場に応じたコミュニケーションを発しています。それを飼い主さんが正しく読み取ってあげたいですね。
多くのしつけや噛むことに対するトレーニングでは、とにかく噛ませない方法を取ったり、口をつむぐ・口を開けさせないといった虐待に近い、犬にとって苦痛なやり方が公開されることがありますが、犬の本来の行動を正しく取らせないばかりか、よりストレスを与えてしまう結果につながりかねません。多くの方法は推奨できません。
噛む犬に対して訓練と称して体罰的な対応を取るカリスマ的な訓練士さんがいますが、そんなことをしても、犬のココロは穏やかではありませんし、死ぬまで怯えなきゃいけない状況になりかねません。とても悲しいです。
なぜ噛むのか?それは、そのときの状況や犬の表情や態度などを見ればわかります。普通の行動も、威嚇する行動もすべて正しい行動、それらに対して的確な方法、態度をとってあげれば、全然問題はありません。
噛むことに対して、噛ませないように一生懸命になる飼い主に対して、あるいは怖く迫ってくる人間に対してますます恐怖が芽生えて噛むしかなくなってしまう、そんな状況を作らないように、正しくコミュニケーションをとってみましょう。
だから、一度、今やっている”噛むことへのしつけ”自体を間違っているという認識を持って、やめてみましょう。まずは”対話”する姿勢を愛犬に示してみませんか?
犬の”噛む”は立派な犬のコミュニケーションです。
愛犬が噛んでくる、そしたら、まず飼い主さんがやるべきことは・・・
まず!『飼い主がリーダー、飼い主に逆らってはいけない』という概念を捨てましょう!!そして・・・
- 噛むことに対して、怒ったり、怖い顔をして迫らないこと
- 遊んでいるときに、噛んできたら遊びは中断し去る
- 痛がったり、やめて欲しいなどの声は、最初は慎もう!(まず無言で)
- 噛んでいるおもちゃを無理矢理取ったり、奪おうとしない
- 食事は、準備ができたら何も言わずに出す(オスワリ・マテは不要)
- 食事中は、見ない、声かけない、近づかないなど、静かにする
- 遊びで、引っ張りっこなどは、”犬の勝ち”をたくさんあげよう
- 噛んで良いおもちゃを用意するなど、噛む行為も肯定してあげよう
噛むことに対して、「イタイ!」などの声で制するのは、後回し!(なぜなら、声によって、飼い主さんはやめるだろうと見込んでも、愛犬は勘違いして余計に噛んでくるケースが多いからです。まずは、上記の対応からです。
”しつけ”しなきゃ ではなく、愛犬が噛む前後の飼い主さんの行動を見返し、なぜ噛むのか理由を探り、叱ることよりも対話を試みよう。
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