2020.04.03

ワンポイントレッスン

パピーは成長のためにご飯をしっかりと食べる必要があり、ツバメの雛のように少しでも早く少しでも多くエサにありつこうと必死になるのと同じで、犬も必死です。野生動物界では、早く成長して動けるようにならないと生きていけない厳しい世界ですからね。

犬は人間社会で生きていく動物ですが、本能的にはパピー期はご飯に関しては食べなければ死に直結しますし、一刻も争うものだと捉えてあげましょう。

なので、お迎えして早々ご飯をあげるときに、”お座り”や”待て”、”お手”などを頑張ろうとされる飼い主さんは多いですが、パピーにとっては、それどころではなくご飯がもう目の前まで来ているのになかなかくれない、「これは、やばい!」と本能的に感じてしまいます。

なかなか覚えてくれないからムキになればなるほど、パピーはよりソワソワと落ち着きのない性格になりかねません。

だから、いつまでも落ち着かないし、とにかく気が気でないので「早くご飯をくれ!」と飛び掛かろうとまでします。

落ち着かないのも、飛び掛かろうとするのも、すべて間違った行動ではありません。正しい反応を示しています。

だって、ご飯がせっかく目の前に来たのに、なかなか出てこない・くれないのは、もしかすると他に奪われてしまうのでは?と考えてしまいます。奪われてしまうかも!これは危険だ!と本能的に感じます。

では、どんな対応が良いでしょうか?

『ご飯は待たせずにあげてください』

ご飯の用意を始めたときから、ずーっと”待って”います。その上におすわりや待ては、さらに待たせることになります。

なので、用意の間は待っててくれたので(動き回っていたとしても)、早くあげましょう。

食べてもらう場所まで頑張ってもらい、そして食器を置くときは飛行機が着陸するかのように斜め上からすーっと降ろします。

ドッグホテルやドッグトレーニングなどでお預かりするワンコには、基本的に用意出来たらすぐにあげるようにしています。みんな一目散においしそうに食べてくれます。

個々に見ていると、とても早食いの子もいますし、落ち着いて丁寧に噛みながら食べる子もいます。

早食いの子は、とても必死に急いで食べているので、それは食べるというより吸い込むというほうが正しい表現かもしれませんね。

消化のためにもやはりもう少し落ち着いて食べて欲しいなと思いますね。

ご飯の入った食器を前に、もしお座りや待てができたとしても、気持ちはウズウズとても穏やかではありません。いつゴーサインが出るかそればかりで、早く食べたいのでできただけに過ぎません。

なので、ゴーサインが出れば、待ってましたとばかりに早食いしてしまうのです。しかも食べ終わってからも興奮状態が長続きしますので、まだないか?と落ち着かずソワソワすることがあります。

片付けようとして食器にうっかり手を出そうものなら噛まれてしまうこともあり得ます。

パピーのうちに落ち着かない状態を習慣化してしまうと、成犬になってもそのままのことがあります。次のようなことを心がけてみてはいかがでしょう?

①1才くらいまでは、ご飯はなるべく早くあげる。用意の間の時間は待ってくれています。早く食べなきゃいけないので、お座りや待てはなかなかできません。

②ご飯をあげるときは、食べてもらう場所まで移動し、食器を斜め上から飛行機の着陸を思い浮かべて置いてあげる。

③お座りや待て、お手・お代わりを教えるのは、ご飯以外で教えてあげましょう。ご飯は死活問題、本来犬には必要のない芸です。

ご飯をすぐにあげていると、ご飯は必ずもらえるもの、かつ信用できる人(信頼関係がより密になる)と理解できるので、食器が置かれるまで落ち着いて待っていられるようになります。

そうなったらお座りや待てなどをルールに取り込んでいくチャンスです。

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